2020年に始まった新型コロナウイルスの世界的流行により、多くのアカペラ奏者が演奏機会を失った。練習すらままならず、メンバーの脱退や解散を余儀なくされたアカペラグループもある。社会の正常化が進む23年3月現在も、活動を再開できていない奏者は少なくない。
今年、結成20周年を迎える社会人アカペラユニットCubiX(キュービックス)もまた、コロナ禍をきっかけに6人から3人へと体制が変わった(※1)。太田昌孝、Ena(えな)、Mito(みと)の3人はこの変化を好機と捉え、以前にも増して精力的に活動をしている。
昨秋以降は、YouTubeのショート動画(※2)への投稿を続けており、いずれも1分程度の演奏ながら創意に富んだアレンジと熟練のハーモニーは聴き応え抜群だ。何よりも、歌うことへの喜びが動画越しに強く伝わってくる。
当サイトではこのほど、CubiXへインタビューを実施した。記事前半では、大きな体制変更を前向きに捉える考え方について聞き、後半では、CubiXの特徴でもあるオリジナル曲への想いや、今後の目標について尋ねた。アカペラグループをいかにして継続するかが本記事の主題である。
このインタビュー記事は特に、グループの運営継続に困難を抱える人や、メンバーが減って歌う機会を失っている人に読んでほしいと考えている。苦境を打開するヒントがあるはずだからだ。
(敬称略)
インタビュー:2023年1月
<プロフィール>
■CubiX(@Cu6iX)/2003年6月に結成し、今年20周年を迎えたアカペラユニット。オリジナル曲を中心としたレパートリーで、全国のライブイベント、コンサート等に出演してきた。2021年5月以降は太田昌孝、Ena、Mitoの3人を中心に、主にウェブ上での動画発信に力を入れている。メンバーはボーカルパーカッションからボーカルベースまでさまざまなパート・音域を歌い分けられるほか、楽器演奏、作詞作曲も可能。「声だけなのにできること 声だけだからできること」をテーマに、聴く人に音楽の楽しさと笑顔を届けるために活動中。